親知らず
- 炎症がある場合は、抗生剤などで炎症を抑えます。
- 麻酔を行い、抜歯及び縫合を行います。
- 抜歯後、経過観察と消毒を行います。
- 約一週間後に再度ご来院いただき、問題がない場合は抜糸します。
- 親知らずがまっすぐに生えており上下の親知らずと噛み合っている
- 虫歯や歯周病の症状がなく、周囲の歯に悪影響を及ぼしていない
- 歯茎が覆いかぶさるなどのトラブルがなく、歯磨きがしっかりと出来ている
「親知らずがあるのだけれど、抜いた方が良いのか知りたい」
「親知らずを抜きたいけれど、痛みや腫れが怖くて踏み切れない」
当院にも、親知らずについてのお悩みやご相談がよく寄せられます。
親知らずの抜歯というと、なんだか怖いイメージをお持ちの方も多いかもしれません。実際、症例によっては大掛かりな手術になることもあり、術後に痛みや腫れが出てしまうこともあります。
ですが、全ての親知らずの抜歯が大変なわけではなく、比較的スムーズに抜歯できることもありますので、事前にしっかりと診断し、抜歯によるリスクを洗い出しておくことがとても大切です。
当院では、院内にCT設備も完備しておりますので、そもそも親知らずを抜いた方がいいのかどうか、抜く場合は痛みや腫れのリスクはどのくらいあるのかなど、精密に分析することが出来ます。
親知らずはなんで抜いたほうがいいの?
生えるときに後ろから押して歯並びが崩れる
分かりやすく言えば7人掛けの椅子に8人無理やり座ろうとすると、肩をすぼめたり、体を斜めにしたり、場合によっては一人押し出されたり。
イメージわきました?
腫れる
歯が腫れるわけではなく斜めに傾いて生えきらなかった場合、歯の頭の部分に歯肉がパーカーのフードのように被った状態になります。
ただ頭の部分は歯肉とはひっついていませんのでポケットが出来てしまいます。
細菌が繁殖して炎症を起こすわけです。
虫歯になる
生え切ってない歯が虫歯になると治療が難しいので抜歯になります。
あと、親知らずは磨きにくいので虫歯になってしまうことが多いです。
親知らずの治療について
隠れたリスクも洗い出す、CTによる精密分析
親知らずの抜歯はしっかりと事前の診査診断を行わなければ血管や神経を傷つけてしまい、多量の出血や麻痺が生じる場合もあります。
特に下顎の親知らずの場合、根の先が下顎の骨の中にある下歯槽管の近くにあることが多いのですが、この下歯槽神経が傷つけられると、下唇や下顎の皮膚、口腔内粘膜や歯茎が知覚障害を起こし、会話や食事が上手にできなくなってしまうこともあります。
レントゲン写真では、親知らずの歯がどのように顎の骨に埋まっているのか、神経が親知らずと接触しているかどうかの確認が正確に行えないため、CT撮影をして親知らずの埋まり方や歯根の形、神経や血管との距離など正確に診断する必要があります。
また歯茎に埋まっている親知らずや横向きに生えている親知らずも、根の先と下顎管が近接しているケースが多いため、抜歯の際にはCT撮影による事前の綿密な診査診断がとても重要です。
抜歯後の痛みや腫れについて
「親知らずの抜歯はとても痛い、と聞いたので怖い」
きっと多くの方がそう思っていらっしゃるのではないでしょうか?
しかし実際は、抜歯時にはしっかり麻酔をしますので、痛みを感じることはありません。問題になるのは、抜歯後に麻酔が切れたときの痛みや炎症による腫れです。
術後の腫れや痛みは、主に下記のような原因で起こります。
抜歯手術にどれだけ時間がかかったか
抜歯後の腫れや痛みは、手術に要する時間と比例すると言われています。
これは、親知らずを抜く際に、あごの骨を削ったり歯茎を切開したりするといった外科的な侵襲を加えるため、体がその侵襲に対して治そうと働きかけて炎症反応を起こすからです。
斜めに生えている、骨に埋まっている、根が曲がっているなどといった難しいケースほど身体への侵襲が大きく、手術時間も長くなりますので、術後の痛みや腫れも強くなると考えてよいでしょう。
痛みと腫れを軽減するためには、短時間で、歯茎の切開を最小限にして、骨をなるべく削らないで、処置を終えることがポイントになります。
術後感染
抜歯をした後の傷口に細菌が感染した場合、痛みや腫れなどの炎症症状がおこります。
術後感染は、指示された抗生物質をしっかりと服用することで予防することが出来ますが、口腔内が不潔な状態の場合、患部にばい菌が入りやすくなってしまうため、抜歯前にクリーニングをして口の中の細菌を少しでも減らしておくと、さらにリスクを軽減することが出来ます。
また、免疫力が低下している場合も術後感染しやすくなってしまいますので、抜歯後はなるべく安静にし、激しい運動や飲酒は避けるしましょう。
痛みが治まらない時は「ドライソケット」の可能性も
「ドライソケット」とは、親知らずなどを抜歯した後の穴がふさがらず、骨が露出してしまう状態のことを言います。
通常であれば、抜歯した後の穴は血餅と呼ばれる血液の塊で塞がり、その上を少しずつ皮膚が覆うことでふさがっていきますが、ドライソケットでは、何らかの原因で血餅ができず、日にちが経っても抜歯した部分の治癒がはじまらないため骨がむき出しの状態が続きます。
そうすると、その穴に汚れなどが入り込み露出した骨に細菌が感染してしまうことで炎症が起き、激しい痛みを引き起こします。
喫煙者や貧血がある方などは生じやすくなりますが、うがいをしすぎてしまったり、舌で傷口を触ってしまったりと、血が固まりにくくなるようなことをしてしまった場合も、ドライソケットになってしまう可能性が高くなります。
抜歯後、3~4日経過してもまだ痛みが続く場合は、「ドライソケット」が疑われますので、歯科医師に相談してみましょう。通常は、改めて適切な消毒処置と抗生物質の服用をすることで傷口は落着いてきます。
親知らずは、抜いた方が良いとは限りません
親知らずというと、「なるべく早めに抜くべきもの」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
確かに、現代人は昔に比べて顎が小さく、親知らずが歯列にきれいに収まらないケースが増えているため、歯列不正や斜めに生えるなどといったトラブルを起こしてしまう親知らずが増えているのは事実です。
ですが、中には正常にまっすぐ生えている親知らずもありますので、親知らずだからと言って必ずしも抜かなくてはいけないわけではありません。
親知らずの抜歯には少なからずリスクが伴うものですので、親知らずを抜くかどうかの判断は慎重に歯科医師と相談されることをおススメします。
抜かなくても良い親知らず
下記の条件を満たす親知らずであれば、無理に抜歯する必要はないでしょう。
状態のいい親知らずは、ほかの奥歯が悪くなって抜かなければならない場合に、その部分へ移植(自家歯牙移植)することができる可能性もありますので大切にケアしながら、将来のリスクのために温存しておくことをおススメします。
親知らずの移植について
皆さん御存知ないのですが上記にもあるように当院では条件を満たした場合、移植をおこなっております。
インプラントと違って親知らずには歯根膜と言われる靭帯が存在します。歯根膜が骨を呼び寄せる作用があり、噛み心地もインプラントと違って残ります。余ってるなら使わない手はありません。
というわけで、特に上顎の親知らずは悪さをしてなければ保存して、且つしっかりブラッシングして保存したほうがよいのです。天然物は人工物にくらべて優位点がありますから。